著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

女優・角替和枝さん急死 原発不明がんとは何か? 治療法は

公開日: 更新日:

 一体、なぜ……。そう思われた人は、少なくないでしょう。64歳で亡くなった女優の角替和枝さんの命を奪ったのは、原発不明がんと報じられました。

 一連の報道によると、今月23日から開幕する児童向け舞台の演出を務める予定で仕事をされていたようで、容体が急変したのはこの1カ月とみられます。忍び寄る病魔が、原発不明がんだったとは、一般の方には理解しにくいでしょう。

 一般にがんが最初にできた臓器を原発巣と呼びます。それがある程度大きくなって転移が始まりますから、転移より原発巣の方が大きいはずですが、免疫とのせめぎ合いの中で原発巣だけ免疫に消されて転移が残るケースも少なからずあるのです。それが、原発不明がんで、成人の固形がんのうち3~5%といわれています。

 原発不明がんでも、確定診断のためには、細胞を採取して調べる病理検査が欠かせません。それで、がん細胞に存在する特定のタンパク質の有無を調べたりして、がん細胞がどの臓器に由来するか調べるのです。CTやPETなどの画像検査や腫瘍マーカーのチェックなども行いますが、それでも原発巣を特定できないがんが、原発不明がんとなります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン