著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

米専門誌で報告 毎日30分多く運動すれば死から遠ざかれる?

公開日: 更新日:

 体を動かす時間が少ない生活習慣は健康状態に悪い影響を与えるイメージがあります。実際、座っている時間が長い人は、短い人に比べて、糖尿病心臓病だけでなく、がんの発症リスクや死亡リスクまで上昇するという研究データが報告されています。では、座っている時間を減らし、体を動かす時間を増やすと、どれくらい健康上のメリットがあるのでしょうか。

 座っている時間を体を動かす時間に置き換えた場合、死亡リスクにどのような影響がもたらされるのかを検討した論文が、米国の疫学専門誌電子版に2019年1月14日付で掲載されています。

 この研究は、45歳以上の米国人7999人(平均63.5歳、男性45.9%)を対象としたものです。被験者には活動量計を装着してもらい、座っている時間が計測されました。なお、結果に影響を与えうる年齢、性別、過去の脳卒中や心臓病の経験、体格指数(BMI)などの因子で統計的に補正して解析しています。

 中央値で5.5年間にわたり追跡調査した結果、座っている時間を軽度の運動で置き換えると、1日30分の運動時間で17%、統計学的にも有意に死亡リスクが低いという結果でした。同様に中強度の運動で置き換えると、1日30分の運動で35%、統計学的にも有意に死亡リスクの低下が示されました。

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