実用化に期待大 繰り返す中耳炎に世界初「粘膜再生治療」

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「ところが『鼻』の粘膜であれば、鼻血がちょっと出る程度で負担が少ない。外来で粘膜を十分量確保できる。そこで鼻粘膜を使った再生治療の研究が2004年から始まり、14年に臨床試験を開始しました」

 再生治療は、細胞がシート状になっている細胞シートを用いて行われる。培養皿に特殊な液を付着させ、鼻粘膜から採取した細胞を培養。細胞が培養した段階で温度を下げると、培養皿から細胞がまとまってシート状に剥がれ、細胞シートとなる。

■鼻の粘膜の細胞と血液を採取して細胞シートをつくる

 患者への移植の流れはこうだ。外来で鼻の中に麻酔をし、鼻の粘膜から細胞と、培養時の栄養素である血清をつくるための血液を採取。

 3週間後、細胞シートができるので、患者は入院して手術を受ける。先に真珠腫性・癒着性中耳炎の鼓室形成術を行い、続いて細胞シートを耳の粘膜に張る移植手術になる。鼓室形成術で2時間、移植手術で1時間ほど。入院は5~6日間。

 今は花粉症の季節。花粉症をはじめとするアレルギー性疾患や蓄膿症などで鼻の状態が悪い人は、鼻の状態が良くなってからになる。また、この治療は成人のみ。

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