がんそっくり? 認知症発症メカニズムの輪郭が見えてきた

公開日: 更新日:

 Aβが一定以上たまると、異常な構造を持ったタウタンパク質が隣の正常タウを異常なものに変える働きが活発となり、異常なタウが海馬から大脳皮質に向け伝染する。

「本来、タウタンパクは神経細胞の骨格をつくり、柔軟性がある。しかし、異常なタウはβシートと呼ばれるものをつくることで柔軟性を失い、タウ同士でくっつきやすくなる。その結果、大きなゴミの塊をつくり、神経細胞を壊し、それが神経細胞を伝うようにして脳内に広がるのです」

 しかし、過剰に蓄積したAβやタウ、壊れた神経細胞は本来、脳内の神経免疫担当細胞であるミクログリアにより貪食され、処理される。

「脳内の神経細胞は、その他の全身の細胞と違って再生することはほぼない。そのため、ミクログリアは早期に、正確に問題のある神経細胞を処理します。それができるのは、壊れた神経細胞が“私を食べて”という意味の“イート・ミー”シグナルを出すからです。ところがその数が多くなるとミクログリアが混乱し、異常か正常か関係なく片っ端から神経細胞を貪食する。その結果、神経細胞の消失に拍車がかかり、記憶をはじめとした脳の機能が一気に失われてしまうのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃