がんそっくり? 認知症発症メカニズムの輪郭が見えてきた

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「中高年になると親しい人の名前を忘れたり、涙もろくなったりするのはタウタンパクが蓄積したり、Aβが大脳皮質にたまっているせいかもしれません」

 実は、樋口氏は2013年に世界で初めて生体の脳内のタウタンパク質の蓄積をPET(陽電子断層撮影法)で可視化した人物。アルツハイマー病がタウの海馬への蓄積から始まるのなら、それを知る方法はないのか?

「現在、『タウPET』の研究と実用化が進んでいます。完成すれば、個人レベルでアルツハイマー病リスクを判別できるようになるかもしれません」

 最近はアルツハイマー病予防として、頭脳を使って脳血流を増やすやり方が推奨されている。それはAβやタウの血液への排出につながり、過剰な蓄積を阻むことになるというのだが、本当か?

「直接的な検証はなく、あったとしてもミクログリアで処理しきれなかったごく一部に過ぎないと考えられています」

 アルツハイマー病は基本的に再生しない脳神経が消失される病気。消失が始まれば、その病態が元通りになることはない。頭脳を使って脳血流を良くすることは、失われた脳神経の機能をカバーできるように他の神経を鍛えているだけ。Aβの蓄積や異常なタウの広がりを抑えるものではないことは知っておくべきだ。

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