著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

米誌で報告 サプリメントや食習慣は健康にどう影響するの

公開日: 更新日:

 サプリメント(栄養補助食品)の摂取や食習慣の改善が、将来の健康にどのような影響をもたらすのかについて、質の高い研究データは多くはありません。そんな中、最新の研究論文が2019年7月9日付で米国内科学会誌電子版に掲載されています。

 この研究は2019年3月までに報告されたサプリメントや食習慣改善に関する277件の研究結果(99万2129人分のデータ)を統合解析したものです。解析の結果、塩分を控えることは死亡のリスクを10%、統計学的にも有意に低下させることが示されました。特に高血圧患者では、心臓病による死亡リスクが33%、統計学的にも有意に低下するという結果です。

 また、魚油の主成分であるN―3系多価不飽和脂肪酸(EPAやDHA)の摂取は、心筋梗塞の発症リスクを8%、心筋梗塞や狭心症を含めた心臓病全体の発症リスクを7%、統計学的にも有意に低下させることが示されています。さらに、葉酸サプリメントについては、脳卒中の発症リスクを20%、統計学的にも有意に低下させるという結果でした。

 他方で、カルシウムとビタミンDの併用は脳卒中の発症リスクを17%増加させることが示されました。また、ビタミンB6、ビタミンA、マルチビタミン製剤、抗酸化サプリメント、鉄分、脂質を抑えた食習慣などについては、死亡リスク及び心臓病の発症リスクに明確な関連性を認めませんでした。

 解析に含まれた個々の研究結果が妥当なものだったか、議論の余地はあります。とはいえ、健康的な食事に興味のある方は、塩分を控えることに加え、ビタミンDやN―3系多価不飽和脂肪酸が豊富に含まれる魚類、葉酸が多く含まれる緑黄色野菜やレバーなどを適度に摂取すると良いかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束