著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

43歳超の酒好き男性は飲酒事故に繋がる眠気に襲われやすい

公開日: 更新日:

 トラックなど商用車を運転する人にとって、日中の眠気は交通事故につながりかねない重要な健康問題です。また、飲酒習慣は、睡眠の質を悪化させることもあり、翌日の注意力低下や運転パフォーマンス低下の原因になりえます。

 商用車ドライバーを対象に、飲酒習慣と日中の眠気の関連性を検討した研究論文が、2019年7月2日付で産業医学に関する専門誌の電子版に掲載されました。

 研究では、全日本トラック協会に登録されている商用車ドライバー1422人(平均43歳)の男性を対象に、飲酒量や日中の眠気などについてアンケート調査を行っています。

 眠気については、エプワース眠気尺度を用いて0~24点で評価し、日中に強い眠気のある人は11点以上とされました。飲酒量は、体重が60キロの人であれば、缶ビール(350ミリリットル)2缶未満で軽度飲酒、2~4缶で中等度飲酒、4缶以上で大量飲酒としています。

 解析の結果、飲酒量と日中の強い眠気について、43歳未満では明確な関連性は示されませんでしたが、43歳以上では飲酒をしない人と比べ、軽度の飲酒者で42%増加傾向、中等度の飲酒者で53%増加傾向、大量飲酒者で3.37倍増加傾向と、統計学的にも有意に多いという結果でした。

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