著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

ラーメン屋が多い地域では脳卒中による死亡率が高い

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 日本を代表する料理といえば、「寿司」と並んで「ラーメン」を挙げることができます。自宅近くに評判の良いラーメン屋さんがあれば、ついつい足を運びたくなります。しかし、塩分が多いこと、カロリーが高いことなどから、健康にあまり良くないイメージを持たれる方も多いかもしれません。特に塩分の過剰摂取は脳卒中の危険因子であることが知られています。

 日本の各都道府県におけるラーメン店の数と脳卒中による死亡リスクの関連性を検討した研究論文が、バイオメド・セントラルという医学誌出版社が発刊している栄養学専門誌に2019年9月4日付で掲載されました。

 この研究では、NTTのデータベースから各都道府県に存在する4種類のレストラン(ラーメン店、ファストフード店、フランス/イタリア料理店、うどん/そば店)の店舗数が調査されました。また厚生労働統計協会が発行している「国民衛生の動向」から、都道府県別の脳卒中による死亡率を集計し、レストラン店舗数との関連性が検討されています。

 その結果、ラーメン店の数が多い都道府県ほど、その地域の脳卒中による死亡率が男女ともに高いことが示されました。一方、ラーメン店以外のレストランでは店舗数と脳卒中による死亡率に、明確な関連性を認めませんでした。

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