膵がん早期発見のカギを握る画像検査 CTとMRIの違いと特性

公開日: 更新日:

 CT検査は造影剤を使用することでその効果を発揮します。鮮明な画像が得られ、がんの広がりや血流も把握しやすくなります。近年は1回の照射でさまざまな角度からの断面図が得られるマルチスライスCTが登場し、画像ソフトにより3D画像も得られるようになりました。短時間で繰り返し撮影して血流の変化やがんの浸潤の様子も観察できるダイナミックCTという撮影法も使われるようになり、精密度が増した最新CTでは造影剤なしでも膵がんの状況や血流の動きを観察できるようになっています。

 MRIは強い磁力と電波を体にぶつけて、体内の水素原子を揺さぶりそれを画像にする装置です。被曝はしません。粘膜の動きもわかるのでがん検査としては適しています。しかし、検査時間が長く、妊娠している人などは検査できません。心臓などにステントが入っている人など検査できない場合があります。

 ただMRIはCTとは異なり、造影剤を使わなくてもそのコントラスト分解能の高さから、内臓や粘膜、血流の情報が得られるメリットがあります。

 膵がんの多くは膵管に発生するため、膵液や胆汁という液体成分を抽出して調べるMRCP(磁気共鳴胆管膵管造影)も有用です。MRIで得られた画像情報をコンピューターで3次元構築するもので、膵がんの前駆病変であるIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)やMCN(粘液性嚢胞腫瘍)が発見できます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも