著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

心臓疾患を抱える人は新型コロナウイルスに細心の注意を

公開日: 更新日:

 中国・武漢から発生した「新型コロナウイルス」(COVID―19)の感染が拡大しています。2月18日時点では、日本国内で確認された感染者は45人(クルーズ船の乗客乗員、武漢からのチャーター便帰国者を除く)で、13日には感染した80代の女性が亡くなったと発表されました。

 こうした状況や大々的に繰り返されるマスコミ報道を受け、ドラッグストアからマスクが見当たらなくなるなどパニック状態が続いています。感染対策が講座として機能している病院に勤務する身としては「COVID―19は健常者にとってはそこまで怖いウイルスではない」という立場です。ただ、抵抗力が弱まっている高齢者や持病を抱えている人は、感染から肺炎を起こして命を落とすリスクが高くなるので、細心の注意が必要です。ヒトからヒトへの感染を繰り返すことでウイルスが変異する可能性があるため、感染拡大を防ぐのも当然です。

 病院や療養施設内にウイルスを持ち込まれて院内感染を起こすと死亡者を出すことにつながるので、一般の皆さんは無症状の不顕性感染から体力の弱った人へ伝播させることが最も注意すべき点です。インフルエンザのように典型的な症状からの診断・治療法が確立していないので、発病濃厚者は自ら周りと接触しない自主隔離を率先しなければなりません。

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