著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

抗新型コロナ薬の治験進める地方病院の1億円施設に全米注目

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの感染が世界的に広がる中、アメリカではある地方病院が熱い視線を浴びています。中西部ネブラスカ州オマハにある「ネブラスカ大学メディカルセンター」です。

 米国立衛生研究所はこのセンターと協力し、エボラ治療薬として開発された抗ウイルス薬「レムデシベル」を使い、大規模な治験を行うと発表。実はアメリカでの初期の感染者やダイヤモンド・プリンセス号の乗客など、13人のアメリカ人を受け入れたのもこの病院でした。

 なぜならネブラスカ大学メディカルセンターには、アメリカでもごく少数の病院しか備えていない生物学的封じ込め施設があるからです。1億円以上を投じて造られた封じ込めユニットには10人の入院患者を収容可能。病室以外にはウイルスを飛散させない空気交換装置バイオポッド、人的接触をできるだけ減らすためのコミュニケーションシステムなど最高レベルの安全設備を完備しています。

 このユニットが造られたきっかけは、2001年に起こった9・11アメリカ同時多発テロでした。その直後に炭疽(たんそ)菌入りの手紙が上院議員に送られるなど、生物兵器テロへの懸念が広がったため、ネブラスカ大学メディカルセンターでは、生物兵器テロをはじめ感染病を専門に治療する施設の建設と研究に踏み切ったのです。

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