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宮沢孝幸京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授

京都大学ウイルス・再生医科学研究所附属感染症モデル研究センターウイルス共進化分野准教授。日本獣医学会賞、ヤンソン賞などを受賞。小動物ウイルス病研究会、副会長。

アルコールには弱いのにヒトの新興ウイルスになった理由

公開日: 更新日:

 どちらの経路も細胞の膜上に発現する特定のタンパク質(受容体と呼ぶ)とウイルスのエンベロープ膜に存在するスパイク(S)タンパク質が結合することで、2つの膜の融合が起こる。Sタンパク質が膜融合を引き起こす分子なのである。

 新型コロナウイルスは、ACE2というタンパク質を受容体として使用する。このタンパク質は肺や腸、精巣、卵巣、腎臓、心臓、乳腺、血管など幅広い臓器や組織に発現している。このため、新型コロナウイルスはさまざまな疾病を起こしうる。

 コロナウイルスは、さまざまな受容体を使用する。新型コロナウイルスは、Sタンパク質がヒトのACE2を効率良く使用することができるよう変異したことで、ヒトの新興ウイルスとなったのである。

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