それだけで命に関わるケースも…「脱水」を軽く考えるな

公開日: 更新日:

 2つ目の原因は、「不感蒸泄」と呼ばれる発汗以外で皮膚や呼気から水分を過剰に喪失してしまったことが考えられるという。

 汗をかかずにすむ室内で終日過ごしたため、1日で1・0リットル以上の水分を失ったと予測できるそうだ。

「意識がもうろうとしたのは、脱水によるせん妄の一歩手前です。水とナトリウムやカリウムなどの電解質(塩分)を含む体液の電解質濃度が異常になり、脳の神経細胞の活動が妨げられる症状です。突然、訳のわからないことを叫ぶ、うろうろ動き回る、幻聴や幻覚などが挙げられます。脱水が進行するとせん妄が起こり、せん妄が起こると脱水は重症化します。脱水によるせん妄は見逃されやすいですが、命に関わるケースもあり要注意です」(高瀬氏)

■水のガブ飲みは逆効果

 脱水の怖さはこれだけではない。体内の循環が悪くなって免疫機能全般が低下し、死に至る病気にかかるリスクも高まるのだ。

「脱水が怖いのは、血液が濃く固まりやすいドロドロ血になること。血液の固まりである血栓が脳の血管に詰まれば脳梗塞、心臓の血管に詰まれば心筋梗塞を発症し、生命の危険を伴います。また、尿量が減って細菌が洗い流されづらくなり、尿路感染症や膀胱炎、腎盂腎炎にかかる可能性もあります」(高瀬氏)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった