頭木弘樹さんは潰瘍性大腸炎で13年間入退院を繰り返し…

公開日: 更新日:

 読み返してみると、その絶望感にどっぷり共感できて夢中になりました。カフカの日記や手紙がまた面白くて、「ぼくは将来に向かって歩くことはできません。いちばんうまくできるのは倒れたままでいることです」というくだりをベッドの上で読んだら、まるで自分のことで、すごく心に染みました。

 僕が読んでいたことから、6人部屋の病室でドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」が大はやりしたこともありました。隣の病室にも広まり、看護師さんたちも驚いていましたけど、決して解決しない問題をクドクドグチグチ言い続ける暗い内容が難病を抱えた僕らにはハマったんです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菅野智之めぐり「ドジャースvsヤンキース」争奪戦へ…オリオールズで孤軍奮闘もトレード要員へ待ったなし

  2. 2

    「聘珍樓」の3度目の倒産は“氷山の一角”か…格安店の乱立で高級中華が苦境に

  3. 3

    パワハラ報道の橋本環奈"人気凋落"が春ドラマで鮮明に…一方で好感度上げたのは多部未華子

  4. 4

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  5. 5

    さようなら元横綱白鵬…最後の最後まで“問題児”ぶり炸裂、相撲協会は「退職届」受理へ秒読み

  1. 6

    ドジャース大谷がヤンキース現体制を粉々に…「やはり獲得すべきだった」批判再燃へ

  2. 7

    「フラッと大阪万博」にトライ! 予約なし、行列を避けてどこまで楽しめるのか

  3. 8

    進次郎農相の痛恨ミス…備蓄米5キロ1800円でも相場が下がらないカラクリ

  4. 9

    出会いから10日で再婚…梅宮アンナに漂う危うさ

  5. 10

    秋篠宮家の初孫、慶事なのに…眞子さんの出産をテレビ・新聞は当初スルー、宮内庁発表が遅れたミステリー