緑茶がうつ病を吹き飛ばし睡眠や記憶を改善 専門家が解説

公開日: 更新日:

 そのうち、功刀教授は「テアニン」(抹茶や玉露などの高級茶に多く含まれる)をラットに用いた実験やヒトに投与した臨床研究を行った。元来、睡眠改善作用やリラックス作用が報告されていたことに着目したという。

■「記憶」や「学習」にも良い

「最初の実験は10年ほど前でしたが、抗不安様効果、抗うつ様効果、統合失調症様症状改善作用、記憶力や感覚情報処理の増強作用を示唆する結果が得られました」

 同じく「心の病気」といわれるうつ病について、功刀教授は、「うつ病患者」群と「健常者」群に分け、「緑茶」(飲まない。週に1杯飲む。毎日1杯飲む。毎日2~3杯飲むなど)を飲む頻度で比較した。

「結果は、うつ病の患者さんは、健常者と比較して緑茶を飲む頻度が少ない傾向にあることがわかりました。私たちだけでなく、宮城県や九州での調査でも同様の研究結果が得られています」

 テアニンになぜ、こうした薬効があるのか。

 脳にある神経細胞のおよそ7割がグルタミン酸作動性神経である。テアニンは、グルタミン酸に類似した構造を持つことから、脳血管血液関門を通過した同成分は、グルタミン酸受容体に弱いながらも結合する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」