著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

末期がんの痛みは「放射線と薬」で解消する 4割は死亡直前まで苦悶

公開日: 更新日:

 家族や周りにがん患者がいる人は、気づいているかもしれません。がんの痛みについてです。国立がん研究センターは、2017年にがんで亡くなった患者のうち4割が、死亡する1カ月前に痛みを感じていたとする推計結果を公表しました。痛みに苦しんでいる状況が垣間見え、がん患者さんや周りのつらさを裏付けるデータといえるでしょう。

 調査は、がんのほか心不全や脳卒中などで亡くなった患者の遺族5万人が対象。このうちがん患者の遺族は約2万6000人で、約1万3000人から有効回答を得ています。

 推計によると、亡くなる前の1カ月に痛みがあった割合は40・4%。痛みに加えてだるさや息苦しさなど身体的な苦痛を感じた人は47・2%、心のつらさを感じていた人は42・3%。どちらも、心不全や脳卒中よりも数値が高いのが気掛かりです。

 がんが進行すると、骨に転移しやすい。乳がんと前立腺がんは75%、肺がんは54%といった具合に原発の臓器を問わず、起こり得ます。転移の場所は、首の骨や背骨、肋骨などに多いものの、骨転移はほかの臓器への転移と異なり、生命を脅かすものではありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?