著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

一流医学誌で報告 男性ホルモン治療で糖尿病が予防できる

公開日: 更新日:

 糖尿病(2型糖尿病)は生活習慣病で、日本でも国民病と言っていいほど増加している病気です。糖尿病は体質と環境要因が合わさって起こると考えられています。

 その原因の一つは食べ過ぎによる肥満です。肥満では多くの変化が体に起こりますが、その一つが男性での男性ホルモン(テストステロン)の低下です。そして、肥満で男性ホルモンが低下している人は、より糖尿病になりやすいということも分かっています。

 それでは、男性ホルモンが低めの男性で肥満の人に、男性ホルモンの治療を行うと、糖尿病が予防できるのでしょうか?

 今年の「ランセット」という一流の医学誌に、カナダで行われた臨床試験の結果が報告されています。

 50~74歳の肥満した男性で、糖尿病の予備群や軽症の糖尿病のある人に、男性ホルモンの注射を定期的に行います。それを2年間継続して、打たない場合と比較したところ、糖尿病の発症が4割以上低下していました。つまり、男性ホルモンに糖尿病予防効果が期待できる、という結果です。

 ただ、ホルモンを使用した男性では、血液の比重を示すヘマトクリットという数値が、未使用より高くなっていました。血液が濃くなり過ぎると、血栓症などの危険が高くなります。男性ホルモンの治療には有効性がありますが、危険性もあり、今後より詳しい研究が必要であるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情