整形外科を受診しても五十肩が良くならない理由 専門医が指摘

公開日: 更新日:

 肩の痛みはメジャーな悩みだが、「整形外科でも詳しい医師は少なく、十分に診察・治療できていない」と指摘するのは、東京女子医大整形外科肩関節グループの安井謙二医師。話を聞いた。

 安井医師によれば、「五十肩」という病名は、中高年の代表的な肩疾患がきちんと分類されず用いられている現状がある。

「治療では肩痛を痛みのもととなる部位ごとに考える必要があります」

 多いのは、「関節包に主因がある凍結肩」「腱板に原因がある腱板断裂または石灰沈着性腱板炎」「肩甲骨周囲を中心とした身体バランスの乱れから生じた肩痛」。このうちレントゲンで分かるのは石灰沈着性腱板炎のみ。それ以外はどのようにして診断・治療に結びつけるのか?

 まず「凍結肩」は、初期では運動時痛と運動制限があり、時に肩を動かさなくても痛む。夜間痛で寝付けなくなることも。

「関節包とは骨と骨を包み込んでつなぐ靱帯で、肩関節の安定性と可動性という相反する機能が同時に備わった優れた組織です。ここが経年的な使用で炎症を生じた結果、肩痛と著しい可動域制限を生じたのが凍結肩で、『拘縮肩』や『肩関節周囲炎』とも呼ばれています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった