著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

ウイルスへの免疫を高める可能性 ビタミンDで感染症に勝つ?

公開日: 更新日:

 ビタミンDはビタミンという名前は付いていますが、実はステロイドホルモンの一種で、骨の健康を維持する以外にも、多くの生理的な働きを持っています。なかでも最近注目されているのは、ウイルスなどによる呼吸器感染症への、体の抵抗力を高めるような働きです。

 ビタミンDの代謝物が、呼吸器感染を起こすウイルスに対する免疫を高める、という実験結果がありますし、血液中のビタミンDが低いと、呼吸器の感染リスクが高まるという報告もあります。

 実際に新型コロナウイルス感染症においても、ビタミンDが不足していると重症化しやすいというデータがあります。

 それでは、サプリメントとしてビタミンDを補充することにより、呼吸器感染症にかかりにくくなるのでしょうか?

 今年のランセットという一流の医学誌に、それについての研究結果が報告されています。

 これまでの精度の高い研究データをまとめて解析した結果、ビタミンDをサプリメントとして使用すると、肺炎などの急性呼吸器感染症の発症が、抑えられることが示されました。ただ、データにはばらつきがあるので、その原因によっても効果には違いがありそうです。期待のし過ぎは禁物ですが、新型コロナウイルスも呼吸器感染を起こすウイルスですから、ビタミンDがその予防につながる可能性もあるのです。

 今後の研究結果に注目です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か