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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

WHOも推奨しているが…「魚を食べると健康」は本当なのか

公開日: 更新日:

 魚を食べる習慣が健康に良いというのは、世界中で行われた調査でほぼ間違いのないことだと科学的に考えられています。WHOなどによる国際的なガイドラインでも、週に少なくとも175グラム(普通のおかずの2食分)の魚を食べることが、健康な食生活のひとつとして推奨されています。

 しかし、魚に含まれるEPAやDHAなどの体に良い脂の成分が、どのような人にとっても病気の予防につながるのか、どのくらい食べればいいのかといった点については、まだ正確なことが分かっていません。今年の米国医師会の内科専門誌に、それについての最新の研究結果が発表されています。

 これまでの4つの世界規模の食事調査のデータをまとめて解析したところ、心臓病脳卒中など動脈硬化に関係する病気を持つ人では、魚を週に175グラム以上食べることにより、死亡のリスクが2割近く減少していました。それよりたくさん魚を食べても、その健康効果には差はありませんでした。

 また、動脈硬化に伴う病気を持っていない人では、魚を食べても同じような健康効果は確認されませんでした。どうやら魚の病気予防効果は、動脈硬化の進んでいる人ほど有効なものであるようです。週に2回は魚を食卓の主役にすることが、健康な食生活の決め手であるのかもしれません。

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