著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

運動とセットでプロテインを取れば効率よく筋肉量を向上

公開日: 更新日:

 前回、牛乳やヨーグルトなどの乳製品に含まれるホエイプロテインの摂取によって、「高脂肪食による2型糖尿病の発症予防が期待できる」「食後の血糖値の上昇を抑えられる」という2つの研究結果を紹介しました。

 粉末プロテインまたはプロテインドリンクを用いた研究ではなく、それらの糖尿病への効能を示した研究結果でもないのですが、「糖尿病患者さんにプロテインの活用はありかなしか?」と問われると、私は「あり」だと答えます。プロテイン摂取によって、筋肉量増量につながる可能性があるからです。

 2型糖尿病治療の3本柱が、食事療法、運動療法、薬物療法です。食事も薬も大事ですが、運動によって筋肉が増えるメリットも大きい。

 筋肉は血中のブドウ糖を取り込んで血糖をコントロールするとともに、それらをグリコーゲンとして貯蔵する重要な働きをします。運動不足が続いたり、日頃の活動量が低下すると、筋肉はブドウ糖を取り込む本来の役割を十分に果たせず、インスリン抵抗性の原因となるのです。

 運動して筋肉量が増えれば消費エネルギーも増加します。消費エネルギーの総量は、生命維持に必要な代謝である「基礎代謝(安静時でも消費されるエネルギー)」、運動や日常生活の動作など身体活動による「エネルギー代謝」、食事をした後に代謝量が増大する「食事誘発性熱産生」の3つ。それぞれが占める割合は60%、30%、10%です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち