血糖値よりもHbA1cの指標が重要 腸内環境を整え、良質のタンパク質をたくさん摂って血糖対策を!

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糖質と早食いをやめるのが血糖の状態を正常にする早道…

 自粛生活の長期化で、心配されているのが健康診断などで注意されている、あの数値。たとえば、高血糖の状態が続けば糖尿病という可能性は高くなる。糖尿病は予備軍も合わせて約2000万人といわれているのだ。では、どうすればその指標となる、血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を下げることができるのか。「名医が教える『本当に正しい糖尿病の治し方』」の著者で、栗原クリニック東京・日本橋の院長でもある栗原毅医師に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 運動不足に食生活の乱れと、コロナ禍でそんなライフスタイルが常態化している人も多いのではないだろうか。特に健康診断で指摘され改善を促されても放置したままは要注意である。その一つ、血糖値。高血糖の状態が続けば、糖尿病ということに。そこで予防のために目安となり、重要となるのがHbA1cの値である。判断するには、「血糖値よりもHbA1cの方が重要だ」と栗原院長は言う。どうしてなのか。

「HbA1cは、赤血球のヘモグロビンという色素が何%ぐらい糖と結合しているかを示すもので、過去1〜2カ月の血糖の状態が反映されます。つまり、普段から高血糖の人はHbA1cの値が高くなるわけです。一方、血糖値は検査日の血液の状態しか分かりません。だから、糖尿病がよくなっているかどうかの判断や、自身の血糖の状態を知るうえでもHbA1cを重要視するのが常識になっているのです」

 ちなみに、健康な人のHbA1cは5.5%以下で、5.6%を超えだすと要注意。6.5%を超えると糖尿病と診断されることも。

 栗原院長は肝臓病の専門医として43年の経験を持つ。その経験から、糖尿病と脂肪肝には密接な関係があると話す。

「脂肪肝の患者さんは、ほとんどが糖尿病になっています。脂肪肝の初期の頃はまだ糖尿病を引き起こしていないものの、脂肪肝が進行するに連れてインスリン抵抗性が高まり、糖尿病になってしまうのです」

カロリー制限の常識の嘘?

 糖尿病の3大療法といわれるのは、「食事」「運動」「薬物」だが、栗原院長は、「食事」と「運動」を重要視しており、とくに食事の内容と食べ方に血糖対策のカギがあると言う。

「ざるそば、カレー、ステーキを食べると食後血糖値はどれが一番上がりやすいのか。一番はざるそばで次にカレーです。ステーキはいくら食べても、よく噛んでゆっくり食べれば、それほど血糖値は上がりません。しかも、お昼に、ざるそばやカレーを飲み込むような早さで食べているサラリーマンの方々を多く見かけます。おそらく日本人は、昼飯を食べるスピードが世界トップクラスの民族。だから、高血糖の人も多くなってしまう。つまり、血糖値を上げるのは糖質と早食いの2つで、脂質・カロリーは血糖値とはほぼ無関係なのです」

 HbA1cは血糖の平均値を表す数値であるため、毎食後の血糖値が高い状態が増えれば自然とHbA1cの値も上がってしまうのだ。

早食いと糖質食が血糖値スパイクを引き起こす!

 HbA1cを健康な状態にするには、いかに血糖値の値を調節する「インスリン」を使わないで過ごすかがポイントだと栗原院長は話す。

「早食いをすると、インスリンが必要量の4倍出ると言われています。インスリンが出れば血糖値は下がりますが、短時間の血糖の乱高下は、いわゆる血糖値スパイクの状態を引き起こします」

 血糖値スパイクの状態が続けば動脈硬化が進み、心筋梗塞脳梗塞を引き起こすことが心配されるのだ。

 ところで、糖質の多い食べ物とはどんなものなのか。例えば、茶碗1杯のご飯には約55㌘の糖質が含まれており、1人前のざるそばには約48グラムの糖質が含まれている。パンは1個約14グラム、リンゴ1個には約33グラムの果糖が含まれている。こうした糖質の多い食品の摂取を1〜2割減らし、肉や卵、ヨーグルトなどの乳製品、豆腐など、筋肉になりやすい質の高いタンパク質を多く摂ることがHbA1cを健康な状態にする秘訣だと言う。

■肉や卵、ヨーグルトなどの乳製品の摂取がカギ

「肉や卵、乳製品、豆腐など、高タンパク質の食品を摂ることが血糖値対策では重要。筋肉を増やさないと糖尿病は治らないためタンパク質摂取は重要です。筋力低下に陥らないように、タンパク質をしっかり摂りましょう。

 また、最近では腸内環境と血糖の関係性も報告されてきていますので、ヨーグルトは、タンパク質も摂れて、乳酸菌が摂れるのでおすすめの食材です」

 とはいえ、どんなに高タンパクの食品を食べても、早食いしては元も子もないようだ。

「肉でも、よく噛まないと糖質の吸収が過剰になってしまい、タンパク質の吸収が悪くなってしまいます。なるべくインスリンを出さないようにするためにも、よく噛んでゆっくり食べることが大事です。また、よく噛めば、唾液の分泌が良くなり、口の中の自浄作用や抗菌作用が促されます。口腔環境と腸内環境は連動しており、生活習慣病との関係性が高いといわれています」

 肉や卵、ヨーグルトなどの乳製品の摂取を心がけ、よく噛んでゆっくり食べることが、血糖対策の何よりの秘訣なのだ。

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