コロナ後遺症の強い疲労感は「首」に原因あり 専門家が指摘
新型コロナウイルスの後遺症のひとつとして指摘されているのが、筋痛性脳脊髄炎(ME)/慢性疲労症候群(CFS)だ。松井孝嘉医師が理事長を務める松井病院、東京脳神経センターでは、頚部への局所物理療法をME/CFS患者へ実施。成果を出している。
ME/CFSは、半年以上強い疲労感が続き、一晩寝たのに疲労が取れず朝起きられなくて出勤できないなど、日常生活を送るのが困難になる病気だ。1988年に米国で提唱され、強い疲労感という症状から、当初は「慢性疲労症候群」という病名だった。
現在は、漢方薬やビタミン製剤、向精神薬の投与、慢性心不全の治療に保険適用となっている和温療法、耳鼻咽喉科の医師が積極的に行う上咽頭擦過療法などが行われているが、決め手となる治療法はない。
松井医師が言う。
「コロナの後遺症として注目を集めるもっと前から、この病気が副交感神経の異常で起こる神経疾患『頚性神経筋症候群』と考え、頚部に対する低周波電気刺激療法や遠赤外線照射治療などを行ってきました」