新型コロナ後遺症「精神症状」を軽く考えてはいけない

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの感染者が増加するにつれ、後遺症を訴える人も増えている。新型コロナウイルス感染症そのものは軽症で回復した人でも、後遺症に悩まされるケースは少なくないという。咳や呼吸困難などの呼吸機能障害をはじめ、倦怠感、頭痛、動悸、嗅覚・味覚障害、脱毛など症状は多岐にわたる。中でも、軽視できないのが不安や抑うつ状態といった精神症状だ。

 コロナ病棟が設置されているある病院で、コロナ患者を診ている医療チームのスタッフのひとりが自分も感染してしまった。幸いにも感染症は軽症で問題なく回復したが、2週間の自宅隔離を終えた後で強い不安感に襲われた。さらに、だるくて何もする気にならず、そのまま一歩も外に出られなくなってしまった。いまも現場には復帰できていないという。

 中等症~軽症のコロナ患者を受け入れている江戸川病院の加藤正二郎院長が言う。

「新型コロナウイルス感染症の後遺症は主に3つに大別されます。炎症によって肺や嗅覚・味覚が障害されるケース、感染で生じた血管炎が要因でさまざまな症状が表れるケース、そして、メンタル不調を来すケースです。新型コロナ感染症から回復後、外来で『まったくやる気が起きない』『また感染してしまうのではないかと怖くて仕方がない』『不安で眠れない』『何も食べたくない』といった精神的な不調を訴えるケースを経験しています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い