コロナ「第5波」医療現場の最前線「効果的な治療が確立されるも入院できず」

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 8月18日時点で、東京都はコロナ患者を受け入れ可能な病床を5967床確保していて、3815人が入院中と発表している。まだ2000床近く余剰があるように見えるが、実際の現場ではベッドは空いていても設備が整っていなかったり、スタッフの数が足りずに対応できないなど、すでに限界を超えつつあるという。

 以前に比べ、新型コロナ治療は大きく進化している。江戸川病院グループでは、入院が必要な患者には、発症から10日ほどで体内に抗体が作られるまで重症化を防ぐことを基本に、いくつかの薬を組み合わせる治療が効果をあげている。

 サイトカインの暴走をコントロールしながら炎症を抑えるリウマチ薬のトシリズマブ、抗ウイルス薬のレムデシビル、過剰な免疫反応を抑制するリウマチ薬のバリシチニブを併用しながら、血栓の形成によって起こる合併症を予防するため抗凝固薬も使われる。

「さらに、抗原定量検査でウイルス量が50(ピコグラム/ミリリットル)程度に減った段階で、免疫反応や炎症を抑制するためステロイド薬の『デカドロン』(デキサメタゾン)を投与します。ステロイド薬は、体内のウイルス量が多い初期に投与するとウイルスが減るスピードが落ちるので、寛解するまでに時間がかかってしまう。ですから、ウイルス量がある程度まで少なくなった段階で使うことが重要です」

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