著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

悲しいときに無理して笑うと、さらにブルーになるだけ

公開日: 更新日:

 次に、別の63人を被験者とし、さまざまな写真を提示し、「面白い写真を見つけたら笑ってください」と指示。最後に、これまた異なる被験者85人に対して、「自分が幸せを感じて笑顔になる状況をリストアップしてください」と伝えた上で、各被験者の人生の満足度を調査しました。

 3つの実験を分析した結果、「幸福を感じていないときに笑う被験者は、笑顔をつくると逆に気分が落ち込みやすくなる」と分かったそうです。さらに、「幸福を感じているときに笑う被験者は、笑顔になると気分がよくなる」ということも分かったといいます。

 つまり、うれしいときは我慢せずに笑った方が気分が上がり、悲しいときは無理して笑うのではなく、素直に泣いたり落ち込んだりした方がいいのです。「涙の数だけ強くなれるよ♪」という歌がありましたが、実際に涙を流すとコルチゾールも一緒に発散されるため気持ちも晴れやすくなります。

 思いっきり泣くと妙に気持ちが落ち着くのは偶然ではないんですね。

 だからといって、気持ちをスッキリさせるために玉ねぎを切り刻んで涙を流せばいいというわけではありません。山口県立大学看護栄養学部の検証によって、「玉ねぎの刺激に対する反応として出る涙と、感動する映像を見て流す涙とでは、同じ量の涙でも効果が異なる」ことが明らかになっています。玉ねぎを切るときに出る涙には、コルチゾールはほとんど入っていない。だから、自然に委ねる。泣きたいときに泣き、笑いたいときに笑えばいいのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か