抗菌薬が効かない「耐性菌」の拡大を防ぐために心がけるべきポイント

公開日: 更新日:

 こうした耐性菌の中で、感染で人を死亡させる原因になるケースが多いのが、「大腸菌」「黄色ブドウ球菌」「肺炎桿菌」「肺炎レンサ球菌」「アシネトバクター・バウマニ」「緑膿菌」の6種類。

 とりわけ致命的なのが、メチシリンやマクロライドなどの抗生物質に対する耐性を持つ「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」(MRSA)だ。

 手術後などに傷口での院内感染を引き起こす原因の100%近くがMRSAといわれ、抵抗力が落ちている患者に感染すると、敗血症や肺炎などの重症感染症を引き起こす。

「耐性菌の発生は抗菌薬を使えば使うほどリスクが上がります。そのため、大学病院や大規模な総合病院などでは、抗菌薬の使用を厳しく管理しています。どの細菌に対してどの抗菌薬をどれくらい使えば効果があるのか、患者さんの血中濃度などをモニターしながら判断します。体格に合わせて量を調節したり、状況に応じて薬の切り替えも行います」

 問題は、こうした管理が行われることなく、安易に抗菌薬が使われるケースが少なくないことだ。風邪をひいた時、抗菌薬を出してもらうために近所のクリニックを受診する人は多い。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    彬子さま三笠宮家“新当主”で…麻生太郎氏が気を揉む実妹・信子さま「母娘の断絶」と「女性宮家問題」

  4. 4

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  5. 5

    ヤクルト池山新監督の「意外な評判」 二軍を率いて最下位、その手腕を不安視する声が少なくないが…

  1. 6

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  2. 7

    違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた

  3. 8

    大麻所持の清水尋也、保釈後も広がる波紋…水面下で進む"芋づる式逮捕"に芸能界は戦々恐々

  4. 9

    “行間”を深読みできない人が急増中…「無言の帰宅」の意味、なぜ分からないのか

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発