著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

HIV感染パンデミック収束への一歩か? 完治した世界3例目は女性

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスによるパンデミックは地球上の多くの場所でいまだに収束していません。しかしそれ以前は、パンデミックといえばエイズ禍のことでした。エイズの原因となるHIVウイルス感染は40年間にわたり不治の病でしたが、今回、世界で3例目の治癒が発表され、大きなニュースになっています。

 ニューヨークに住むこの女性はHIVの他に白血病も患っていましたが、臍帯血(さいたいけつ)移植を受け完治しました。臍帯血は妊娠した女性と赤ちゃんを結ぶ臍帯や胎盤に含まれる血液で、造血幹細胞を多く含んでいますが、出産後は不要となりほとんどが捨てられています。

 一方、これまでにHIV感染の治癒が見られた男性2人は、骨髄移植による成体幹細胞を用いた治療を受けていました。それが今回、臍帯血が注目された理由は、骨髄移植のように提供者と患者の人種や民族を完全に近いレベルに一致させる必要がなく、ずっと広く利用可能という点です。

 アメリカの臍帯血ドナー登録者のほとんどは白人ですが、今回移植を受けて成功した女性がミックストレース(2つ以上の人種ミックス)だったことから、今後HIVとがんの両方を持つアメリカ人を完治できる可能性があると考えられているのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?