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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

犬に多い僧帽弁閉鎖不全症の外科手術ができるようになった

公開日: 更新日:

 前回、心臓疾患が見つかった神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ「タンタン」(26歳・メス)の治療についてお話ししました。パンダに限らず、馬や牛などの大型哺乳類は心房細動を発症しやすい傾向があり、そこから心不全につながるケースも少なくありません。

 ペットとして家庭で飼育されている犬や猫でも心臓疾患は見られます。とりわけ、チワワやマルチーズなどの小型犬に多いのが「僧帽弁閉鎖不全症」です。心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁がうまく閉じなくなってしまう疾患で、本来は左心房から左心室に流れるはずの血液が逆流して左心室に負担がかかり、慢性心不全につながります。

 犬の場合、なぜ僧帽弁閉鎖不全症を発症しやすいのかについて詳しい理由はわかっていません。人間でもリスク因子になる加齢に加え、品種改良などによる遺伝的な要因も関係していると考えられています。僧帽弁閉鎖不全症になると疲れやすくなり、あまり動きたがらなくなったり、すぐに息切れするなどの症状が表れます。病状が進行すると、心不全から肺に水がたまる肺水腫を起こし、呼吸困難から死に至る恐れがあるので、早めの治療が必要です。

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