著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

長生きを希望しない人は本当に早死にしてしまう?

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 厚生労働省が2020年に集計したデータによると、日本人の平均寿命は男性で81.6歳、女性で87.7歳と、過去最高を更新しました。

 しかし平均寿命が延びたからといって、健康寿命まで延びるとは限りません。人によっては、病気や障害を抱えながら過ごす年数が長くなることもあるでしょう。老後に不安を覚える現代人にとって、長寿が理想とは限らないのです。そのため近年では「希望寿命」という考え方が注目を集めるようになってきました。

 希望寿命は、「何歳まで生きていたいのか」を表す年齢のことで、長生きできる可能性に対する関心の度合いともいえます。そんな中、希望寿命の長さと死亡率の関連性について検討した研究論文が、日本疫学会誌に2022年5月7日付で掲載されました。

 この研究では40~64歳の日本人3万9902人が対象となりました。研究参加者に対して「何歳まで生きていたいですか?」という質問を行い、回答された希望寿命を「平均寿命より短い人」「平均寿命と同等の人」「平均寿命より長い人」の3つの集団に分けています。死亡率に影響を与える年齢や性別、婚姻状況、健康状態などの因子について統計的に補正を行い、3つの集団で死亡率が比較されました。

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