よく顎が外れる…どんな治療法があるのか 手術はすべき?

公開日: 更新日:

 次に「顎関節脱臼防止帽 AGOキャップ」の装着です。専門の器具を使って下顎から頭部を固定する方法です。

 また「自己血注入療法」は、患者さん自身の血液を顎の関節に注入し、関節内を硬くする治療法です。関節の可動域を制限し、外れないようにします。患者さん本人の血液を使用するので、感染症のリスクも低く、関節に局所麻酔しますので、痛みもありません。ただし、成功率は安定していないのが現状です。

 これらの治療法を試しても、口が開かない状態が慢性化したり、顎の痛みや咀嚼などが改善されない場合、手術を検討します。

 特に基礎疾患がある方や高齢者は、咀嚼に障害が起こると誤嚥肺炎のリスクが高まりますから、手術を選ぶケースが多くみられます。

 顎関節脱臼を治療する手術にはいくつかありますが、たとえば「関節結節切除術」が有効です。顎関節の前方部分にある関節結節を除去する手術で、全身麻酔の手術となります。

▽簑原沙和(みのはら・さわ) 2015年3月神戸大学医学部医学科卒業後、国家公務員共済組合連合会浜の町病院臨床研修、17年から昭和会今給黎総合病院形成外科、18年昭和大学病院形成外科などを経て、現在は東京臨海病院勤務。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」