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新井平伊順天堂大学医学部名誉教授

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

孫と中国を旅したいと一念発起 70代初めから中国語を勉強し始めた

公開日: 更新日:

 そんなお孫さんの言葉に一念発起し、Aさんは中国語の勉強を開始。とっくの昔に現役を退いていましたから、時間はたくさんある。NHKのラジオ講座やテレビ講座を録音・録画し、繰り返し見聞きして、勉強しました。

 その甲斐あって、数年後にはカタコトの中国語が話せるようになった。お孫さんは高校卒業後、中国・北京の大学に留学。そのお孫さんを訪ねて、Aさんは何度も一人で北京に出かけました。お孫さんとは別に、単身、中国国内を旅することもあったそうです。

 さらに話は広がります。せっかく学んだ中国語、普段から使わないとサビついてしまうと、中国人や中国に関心がある人が集まるサークルに入り、積極的に中国語を話すように心掛けました。そうすることで、中国語レベルがますます「生きたもの」になっていきました。

 サークルで知り合った年の離れた友人と中国語のカラオケに行ったり、現地そのままの中国料理を食べられる店に出かけたり。コロナで交流が制限された時期は、オンラインで会話や飲み会を楽しんでいたとのことです。

 誰しもが「80代にはとても見えない!」と驚嘆するAさんですが、現役時代は仕事一筋で、退職後もさほどアクティブな生活を送っていたわけではありませんでした。ちょっとしたきっかけで、Aさんの「その後」が大きく変わったわけです。

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