著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【褥瘡(床ずれ)】薬で解熱しても発熱を繰り返していた原因は腰にあった

公開日: 更新日:

 軽い褥瘡の場合は、軟膏剤による治療のみで終わりますが、壊死がある場合などには、この部分を取り除く処置(デブリードマン)を行うケースもあります。

 冒頭の患者さんもそうでした。潰瘍部分に膿がたまり、この膿瘍が感染源になっている場合、抗菌薬により体内の細菌を殺菌できたとしても、膿瘍部分で増えた細菌がまた体内に供給されてしまいます。そのため、抗菌薬投与だけで完全に解熱するのは難しく、抗菌薬による治療に加えて、膿瘍部分を取り除く必要があるのです。

 高齢の患者さんや認知症の患者さんは、痛みなどの訴えを医師や看護師に伝えられない場合もあり、傷を見逃されてしまう事例もあるようです。

 褥瘡の予防には体圧を分散するマットなども有効です。高齢者、認知症、睡眠薬を服用されている方ら、褥瘡に注意が必要なときは試してみるのもよいかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」