著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【伝染性単核球症/キス病】一部の抗菌薬を使うと高確率で皮膚にボツボツが…

公開日: 更新日:

伝染性単核球症/キス病

「伝染性単核球症」という病気をご存じでしょうか? 主にエプスタイン・バー・ウイルス(EBウイルス)と呼ばれるウイルスが原因で起こる感染症です。まれに、サイトメガロウイルスやアデノウイルスなどが原因で発症することもあります。EBウイルスは、感染者の唾液を通して人にうつるため、キスによって人から人へと感染していく場合も多く、「キス病」(英語ではKissing disease)とも呼ばれています。 EBウイルスの潜伏期間は4~6週間ほどで、症状としては、喉が赤く腫れる、喉の痛みや発熱といった咽頭炎症状のほか、だるさや倦怠感などが見られます。疲労感は数週間から数カ月間続くケースもあります。

 子供の頃に感染すると、通常は軽い症状で済みます。症状がほとんど出なかったり、単なる風邪のような症状だけの場合もあります。そのため、EBウイルスに感染していても気付かない人はかなりいると思われます。

 思春期以降に初めて感染したときもほとんどの場合は単なる風邪程度の症状で済むのですが、まれにリンパ腫や肝炎という重症の合併症を起こすことが知られています。20代になると、90%以上の人がEBウイルスに対して抗体を持っていますので、ほとんどの人が成人するまでに一度は感染しているものと考えられます。

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