諦めないがん治療には「ハイパーサーミア療法」 負担が軽く高い効果

公開日: 更新日:

 とはいえ、それだけではがん患者を救うことにはならない。そこで出合ったのがハイパーサーミア療法だったという。

「偶然、がんの論文でその存在を知り、これだ、と思いました。ハイパーサーミア療法は、がんの固まりが42.5度以上の熱に弱いという性質を利用してがんを治療します。具体的には体の外側からがん細胞に向かって高周波電流を流してがん細胞を加温し、死滅させる。この治療法が優れているのはがん細胞だけ選択的に攻撃し、正常細胞へのダメージはあってもごくわずか、という点です。正常細胞は熱が加わると周囲の血管が拡張して血流が増えて熱を逃がしますが、がん細胞の周囲の血管は急ごしらえの新生血管なので拡張ができずに熱がこもってしまう。そのため正常細胞より早く壊れるのです」

抗がん剤や放射線治療の効果も高める

 これなら、体力の弱い高齢者や女性でも受けられる。しかも、多くのがん種で治療可能だ。さらにこの治療法は抗がん剤や放射線治療の効果をアップさせる働きもある。

「加温すると細胞を覆う細胞膜の透過性を高めるため、がん細胞内への抗がん剤の取り込み量が増えて抗がん剤の効果を高めます。また、抗がん剤で攻撃されたがん細胞のDNA回復の動きを阻止する働きもあります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ

  5. 5

    進次郎農相ランチ“モグモグ動画”連発、妻・滝川クリステルの無関心ぶりにSNSでは批判の嵐

  1. 6

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    銘柄米が「スポット市場」で急落、進次郎農相はドヤ顔…それでも店頭価格が下がらないナゼ? 専門家が解説

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし