正月の「餅トラブル」と対処法 高齢者だけでなく若い人も注意

公開日: 更新日:

 それでも、咳をして詰まった餅を押し返すための防御反応ができればいいが、年を取るとその力も弱まるという。

「もうひとつの理由は、お餅の性質にあります。餅の元になる餅米はアミロペクチンでできていて、水や熱が加わり軟らかい状態のαでんぷんである間は消化に良いが、冷めてβでんぷんに変化すると途端に消化が悪くなることが知られています。このため、餅を口の中に入れて喉に送るまでに温度が低下するとお餅が喉の粘膜にくっついてはがれにくくなったり、硬くなってしまい、気道をふさいでしまうリスクが増すのです」

 最近は硬い食べ物を口にしない人が増えて、若い人でも餅を喉に詰まらせるケースがあるという。

「お餅のトラブルを回避するには、最初からのみ込みやすいように餅を細かく切って、よく噛んで食べることです。餅を食べる前にはお茶や汁物などで喉を潤しましょう。唾液がたくさん出せるように餅を食べる前にはおしゃべりをするなど口の準備運動をしておくのもいいと思います」

 万一、餅を喉に詰まらせた様子があれば、119番通報して救急車を呼び、消防署の職員から電話で応急処置の指導を受けることだ。実際、今年の正月に餅を喉に詰まらせた都内の82歳の男性は、そのおかげで餅を取り除き無事だった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々