著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

七草がゆを食べる良いタイミングとは? 7日が定番だが…

公開日: 更新日:

 お正月が明けると、スーパーで「七草がゆ」のセットが売られるほど、以前にも増して七草がゆの風習が世間に浸透しています。そもそも、なぜ七草がゆを1月7日に食べるのでしょうか。中国から伝わった考え方で、1月の元日に鶏、2日に狗(いぬ)、3日に羊、4日に猪、5日に牛、6日に馬を大切に扱いながら6日間占いを行う風習があったそうです。

 そんな考えをもとに、7日は人を大切にする「人日(じんじつ)の節句」とされました。これに、冬に不足しがちな貴重な生鮮野菜の若菜(日本古来の7種類の野草)を正月明けに摘んで食べていた風習がいつの間にか一緒になり、七草がゆのイベントになったそうです。そんなことから、七草がゆには「お正月の飲食で疲れた胃腸を休めるために食べる」「一年の無病息災を願うために食べる」といった要素がミックスされているのです。

 一般的に言われている七草は短歌にも詠われていて、「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草」という覚え方もできます。

 「競り勝つ」という意味をもつセリは胃腸の働きを正常にするほか解熱作用があります。「なでて汚れを払う」という意味が込められたナズナ、いわゆるペンペン草の若葉にはミネラルが豊富に含まれています。「仏さまの体」を表すと言われゴギョウは漢字で書くと御形。咳止めや利尿薬としても利用されてきました。「繁栄がはびこる」とされるハコベラは止血作用に働き、産前産後や月経過多、歯槽膿漏の予防に、「仏さまの座る場所」を表すホトケノザ(仏の座)は胃腸を整える作用や高血圧予防に使われてきました。「神さまを呼ぶ鈴」という意味があるスズナは蕪、清白とも書き、「純白」という意味をもつスズシロは大根のことで、ジアスターゼという消化を助けてくれる酵素が含まれています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い