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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

高橋幸宏さんは70歳で他界…脳腫瘍は原発性の方が転移性より手術が難しい

公開日: 更新日:

 原発性は、脳組織との親和性が高く周りに染み込むように浸潤します。一方、肺がんや乳がんなどから脳に転移するケースは、肺や乳腺などの“本籍”と“引っ越し先”である脳の神経細胞とは性質が異なるため、正常な脳組織との間に明瞭な境界ができることが一般的です。

 原発性は境界が不明瞭ゆえ、手術などが難しいのに対し、転移性は境界が明瞭なので手術なども対処しやすい。さらにガンマナイフという放射線はピンポイント照射が可能。手術と同等の治療成績ですから、転移性の治療はこれがゴールドスタンダードで完治する例も出てきています。この違いはとても大きい。

 高橋さんは21年6月、「まんまと嫌な予感が当たり、また別の治療始めます」とSNSに投稿。原発性の特徴や、「(手術後は)復帰に向け度重なる治療と入退院を繰り返しながらリハビリに真摯に向き合ってきました」という妻・喜代美さんのコメントなどから推察すると、再発したのかもしれません。

 脳腫瘍によって迷走神経などが障害されると、嚥下機能が障害されるため、誤嚥が起こりやすくなりますから。全摘が難しい脳腫瘍が、偉才の命を奪ったことは残念でなりません。ご冥福をお祈りします。

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