著者のコラム一覧
森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

整骨院でも脱臼を治せるのになぜ病院受診が必要なのか?

公開日: 更新日:

 高校時代、サッカーのプレー中に肩の脱臼を繰り返した私は、整骨院の先生の強い勧めで、肩関節専門の整形外科を受診しました。

 当時の私は、整骨院でも脱臼の治療(外した肩をはめるスティムソン法)を受けられるのに、なぜわざわざ混み合っている整形外科、しかも肩関節専門の病院を受診しなければならないのか、よくわかっていませんでした。読者の皆さんの中にも、肩の脱臼に限らず、整形外科領域の不調や痛みを、整形外科ではなく整骨院やマッサージなどの施術で対処している人は多いのではないでしょうか。

 整形外科では、まず腕の動きをチェックされました。その時、私が感じたのは「肩が外れそうで、怖い!」というもの。脱臼する腕の位置は大体決まっており、腕を体から離すような動き(外転)や体の外側に回転させる動き(外旋)をした時、肩が外れる感じが強くなる、と説明されました。

「脱臼を繰り返すと、肩関節の中の靱帯が緩くなる。整骨院でも、長年の経験で肩の構造について知っているので、『外れた肩を元通りにはめる』ということはできる。しかし、肩関節や靱帯に損傷が生じていないかまでは確認できないので、応急処置しかできない。だからまた脱臼を繰り返す。整形外科ではCTやMRIの画像検査で肩の構造についても調べ、治療を行うので、根本的に治すことができる」

 整形外科で行う脱臼の根本的な治療とは、手術のこと。最初は戸惑っていた私でしたが、その時の整形外科医の懇切丁寧な説明で、その必要性を深く納得できたのでした。手術がなぜ必要なのか、次回で触れたいと思います。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?