著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【カツオ】豊富なDHAとEPAが血管を強くしなやかにする

公開日: 更新日:

 世界に広く分布しているカツオは、3月ごろに九州南部から始まり、5月ごろに本州南部、8月から9月ごろには三陸沖近辺まで北上していきます。この頃に取れるカツオを「初鰹」と呼び、三陸沖で黒潮と親潮がぶつかりUターンをして、11月ごろまで九州南部に向かって南下してくるカツオを「戻り鰹」と呼んでいるそう。古くからカツオ節として利用されるほか、缶詰に加工されたり、お刺し身やたたきで食べることが多いですね。

 そんなカツオに含まれる栄養素のうち、特徴的なのはタンパク質とDHA、EPAの豊富さ。タンパク質はアジやイワシと比較すると1.5倍の含有量! 動物性タンパク質は、正常な赤血球の形成を助けるビタミンB12や鉄の吸収を高めることもわかっていますので、貧血予防にも役立ちます。

 DHA、EPAは脂質を構成する脂肪酸のひとつで不飽和脂肪酸と呼ばれ、取るべき脂肪酸とされるものです。初鰹より戻り鰹の方が多くなっています。エネルギーも高いですが、DHA、EPAの割合ももちろん高くなっています。北上から南下に転じる宮城県で取れる初鰹は、北上してくる間に餌をたくさん食べているため脂が乗っています。一方、西日本で取れるものは北上途中なので脂が少なく、身の締まりが良くて淡泊な味わいになっています。取る地域によっても成分が異なっているのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも