著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

90代夫婦2人暮らし 認知症を患いつつも楽しく暮らしていたが…

公開日: 更新日:

 みなさん、絶妙なバランスでどうにかここ数年暮らしてきましたが、旦那さんの食事の量が徐々に少なくなり、痩せて動けなくなってきました。認知症の方の自然の経過とも言えますが、ベッドで寝ている時間も長くなってきました。

 今年のお正月のある朝のことです。その日は娘さんは実家に行く予定ではなかったのですが、胸騒ぎがして訪れたといいます。

 お昼過ぎに実家にたどり着くと、玄関で旦那さん(娘さんにとって父親)が冷たくなって震えているではありませんか。新聞を手にしており、おそらく新聞を取りに出たものの、痩せて筋力の落ちた足では玄関を上がれず力尽き、身動きを取れないまま、寒い玄関で朝から6時間程度過ごしていたようなのでした。

 私たちのところに往診の依頼があり、すぐ駆け付けたところ、体温は34度。すでに低体温症となり、意識レベルも落ち、生命の危機といえました。

 もしかしたら回復の見込みがないかもしれない。病院で治療するか、または、この後大きく回復する見込みがなく、歩けなくなる可能性もあるなら家で様子を見るか。いずれにしても食事が積極的に取れるわけではなく、高齢であることも考えれば、危機的な状況といえました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  3. 3

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  4. 4

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  5. 5

    【独自】江角マキコが名門校との"ドロ沼訴訟"に勝訴していた!「『江角は悪』の印象操作を感じた」と本人激白

  1. 6

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  2. 7

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 8

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 9

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  5. 10

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール