著者のコラム一覧
森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

「変形性膝関節症」でPRP療法が効くケースと効かないケース

公開日: 更新日:

 PRP(多血小板血漿=たけっしょうばんけっしょう)療法は、患者さんの血液を利用した再生医療。PRPは、血小板を高濃度に凝縮・活性化させたものになります。

 血小板の中には組織の修復を促進する成長因子が含まれているので、PRPを患者さんの患部に注射すると、PRPの成長因子が働き、早期治癒や疼痛(とうつう)の軽減といった効果をもたらすのです。PRP療法がよく行われているものとしては、変形性膝関節症やスポーツ外傷・障害があります。

「自分も(あるいは、ご家族が)受けてみたいな」と思った方もいるかもしれません。その際、念頭に置いていただきたいのは、「PRP療法が自費診療だ」ということです。

 厚生労働省が保険診療として認可するには、エビデンス(証拠、結果)が集積されなければなりません。しかし、PRP療法はエビデンスが不足しているのが現状。特に日本ではエビデンスが足りないと言っても過言ではありません。

 したがってPRP療法を受けようと思ったら自身でいろいろと調べなければなりませんが、「いい面」ばかりに目が行って、そうではないことに関しては見落としてしまうかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも