高齢者の歯科治療では「基礎疾患」の把握が重要なポイント

公開日: 更新日:

 数年前、歯周病が原因で歯が抜けてしまい10本程度しか残っていない60代半ばの男性患者が来院した。米国の会社への転職が決まり、半年後に渡米するのでその前にインプラントを入れて歯をきれいにしてほしいという。

 しかし、問診の段階で既往歴や基礎疾患が曖昧だったうえ、糖尿病患者に多く生じる甘酸っぱいアセトン臭があったため、その場で簡易的な血液検査を実施した。結果、過去1~2カ月の血糖値の平均を反映するHbA1cが12.0%という高値だった(正常範囲4.6~6.2%)。インプラントどころか、緊急にインスリン注射や入院治療が必要なレベルに該当する。すぐに糖尿病を診ている病院に行ってもらい、血糖値の改善を優先することになった。

 結局、渡米までの期間では、日本糖尿病学会が目標値としている「7.0%未満」までは下がらなかったため、インプラントは埋入できず、残った歯をすべて抜いて、精密な総入れ歯を作る治療が選ばれた。それでも、本人から「あのまま気づかなければ糖尿病がもっと深刻な状態になっていた。命拾いした」と感謝されたという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐藤二朗vs橋本愛騒動が直撃! フジドラマ“出たくない俳優”&“見たくない視聴者”の二重苦

  2. 2

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  3. 3

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  4. 4

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  5. 5

    “キムタク効果”見込んだ吉野家の戦略は残念な結果に…ファンの間に沸き起こる「藤田ニコル復帰待望論」

  1. 6

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  2. 7

    ソフトバンク「佐々木麟太郎シフト」着々…同ポジションの中村晃引退、山川穂高二軍塩漬けが伏線

  3. 8

    「夫婦別姓刑事」とフジテレビの時代錯誤…“看板に偽りあり”のタイトルと「超・年の差婚」設定への嫌悪感

  4. 9

    萩本欽一〈25〉「車椅子でも絶対に明治座に出す」脳梗塞で左半身麻痺の坂上二郎さんを奮い立たせたひと言

  5. 10

    維新また猿芝居…国会空転トップ会談で定数削減法案に“白旗”も「今時点で取り下げない」と強がるワケ