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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

いまだに学校の感染対策に医学研究の成果が考慮されないのはなぜか

公開日: 更新日:

 今後のEBEの動きに注目したい。


(注1)介入前後研究:研究者が治療など、実際に行われる医療行為に新たな医療行為を加え、その効果を検証する研究を介入研究というが、そのうち介入前と介入後を比較するタイプの介入研究を介入前後研究と呼ぶ。歴史的に有名な介入前後研究は、軍艦での訓練の食事において、洋食、麦飯の導入前後での脚気の死亡を比較し、海軍での脚気の予防をもたらした研究である。

(注2)コホート研究:ランダム化比較試験と異なり、治療などの、人為的、能動的介入を行わず、ただその場でおきていることや起きたこと、あるいはこれから起きることを観察する観察研究手法の1つ。一定の集団(この集団をコホートと呼ぶ)を設定し、調査時点で、仮説として考えられる要因を持つ集団(曝露群)と持たない集団(非曝露群)を追跡して、両群の病気のかかる割合または死亡率などを比較する。

(注3)EBM:その時点で手に入る最善の臨床研究と、個々の患者からの情報、患者の意向、価値観を統合し、目の前の患者にその時点での最善の医療を提供しようという行動指針。以下の5つのステップからなる。

1.目の前の患者の問題の定式化
2.情報収集
3.情報の批判的吟味
4.目の前の患者への情報の適用
5.1-4のステップの評価

(注4)EBE:EBMの実践を教育の現場での実践に応用したもの。

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