著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

元大関・朝潮が67歳で急逝…小腸がんはカプセルかダブルバルーンの内視鏡でチェック

公開日: 更新日:

 元大関朝潮の長岡末弘さんが小腸がんで亡くなったと報じられました。昨年から闘病されていたそうで、回復に向けて頑張っていたといいます。享年67。まだ若く、ご家族の悲しみが推察されます。

 小腸は、胃と大腸の間にあって、十二指腸・空腸・回腸を指します。胃で消化された食べ物をさらに分解。栄養素を吸収するのが主な役割です。体の中でも最も長く、全長は5~7メートル。1.5メートルほどの大腸の4~5倍です。

 年間の発症率は、10万人あたり0.4人程度と極めてまれ。私もがん専門医として数多くのがん治療に携わってきましたが、これまで小腸がんの方は2人しかいませんでした。毎年の罹患数が10万人を上回る胃がん大腸がんとは、まずこの点が違います。

 2番目の違いは、検査のしにくさです。胃を調べる内視鏡では十二指腸まで、大腸を調べる内視鏡では回腸の末端までしか調べられません。

 そこで直径11ミリ、長さ26ミリのカプセルにライトやレンズ、カメラ、画像転送装置などを詰め込んだカプセル内視鏡や、尺取り虫のように動いて調べるダブルバルーン内視鏡が開発され、小腸の病変をチェックできるようになりましたが、希少がんゆえ、小腸がんの検査が行われたときには、進行していることが少なくないのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも