認知機能の低下を防ぐ「知的活動」の具体的な方法は?

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 ほかに、「日記」を書くのもお勧めです。デジタル化に伴い文字を書く機会が減りつつあります。日記をつける際、その日の出来事を思い出し、振り返りながら文字を書くことで、記憶の定着につながります。当院を受診されている認知症の患者さんたちに話を伺うと、若い頃は日記をつけていたが、定年後は毎日同じ生活が続いて、これといった出来事がなくなり、日記をつけなくなったといいます。脳は、筋肉と同様に使わなければ衰えていきます。とりわけ定年退職を迎えた高齢者は平日も週末もない「毎日が日曜日」の状態になりがちです。

 人生に対する夢や希望がなければ、何かを考えたり遂行しようとする意欲が失われ、認知症は忍び寄ってきます。先述の知的活動がおっくうであれば、まずはパズルゲームや塗り絵など、取りかかりやすく楽しさを感じられ、続けられる知的活動から取り組むといいでしょう。

遠藤英俊(えんどう・ひでとし)1982年滋賀医科大学医学部卒業、2014年独立研究開発法人国立長寿医療研究センター長寿医療研修センター長、20年聖路加国際大学臨床教授を経て21年から現在のいのくちファミリークリニック院長を務める。

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