糖尿病は“治る”時代…いまこそ患者への偏見を是正すべきだ

公開日: 更新日:

 医学が急速に進み、多くの病が克服されつつある。「病の帝王」と呼ばれる「がん」ですら、生還する人が増えている。にもかかわらず、病気に関する不正確な知識や情報に基づき負の烙印「スティグマ」を押すケースが後を絶たないのはどうしたことか。

 とくに糖尿病は新たなタイプの薬や治療パターンの登場で「一度かかったら治らない」時代は過去のものになりつつあるが、いまだに糖尿病であるが故に社会的不利益を被っている人が多い。皆が糖尿病について正しい知識を持ち、差別をやめるべきだ。

 ◇  ◇  ◇

 糖尿病は予備群を含めると2000万人、成人のじつに4人に1人が罹患している国民病だ。身の回りに1人や2人いそうなありふれた病気である。にもかかわらず、昔から、糖尿病患者にはある種のスティグマがついて回る。スティグマとは一般に「恥・不信用のしるし」「不名誉な烙印」を意味する言葉だ。

 たとえば「糖尿病になるのは食欲が抑えられず、運動嫌い、自己管理ができないだらしない性格の人」といった具合だ。「一度かかったら治らず、悪化するだけの病気」という先入観があり、インスリン注射など始めようものなら、「あの人は糖尿病の合併症を発症していずれ中途失明、慢性腎臓病から透析、動脈硬化などから脳梗塞心筋梗塞になって死んでしまう」などと邪推されてしまう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が

  2. 2

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です

  3. 3

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  4. 4

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  5. 5

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  1. 6

    大食いはオワコン?テレ東番組トレンド入りも批判ズラリ 不満は「もったいない」だけじゃない

  2. 7

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  3. 8

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!