糖尿病は“治る”時代…いまこそ患者への偏見を是正すべきだ

公開日: 更新日:

 それは単なる邪推にとどまらない。一度糖尿病と診断されると「健康な人より短命になりやすく他の加入者と不公平になるから」と生命保険の加入を断られて住宅ローンを組めなかったり、割高な保険料を押し付けられたりする場合が少なくない。さらには、結婚や就職の障壁になったりする。

 こうした差別は、知らず知らずのうちに糖尿病患者の心を侵食し、「自分は糖尿病だから」と消極的になり、自己肯定感を喪失するケースもある。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に聞いた。

「糖尿病患者の方は日常的に差別を受けます。たとえば飲み会でも『○○さんは糖尿病だからコレは食べない方がいいね』などと妙に気を使われたり、『一度口にするとやめられなくなるんじゃない?』などと言われ、結果として楽しめない、という患者さんは多くいます。そもそも糖尿病になる人は性格的にだらしない、というのは正しくありません。日本人は遺伝子の関係で欧米人に比べてインスリンの分泌量が少なく、糖尿病になりやすいのです。しかも、寿命が延びたため、日本人は高齢化率が高い。高齢になれば糖尿病の人も増えてくるのは当たり前です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」