致死率30%「人食いバクテリア」に感染しても命を守る方法

公開日: 更新日:

 人食いバクテリアと呼ばれる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」が急増している。過去最多を記録した昨年の941例に続き、今年1月28日までの累計報告数はすでに200例に達した。致死率は約30%と高い。命を落とさないために何ができるか、東京女子医科大学病院感染症科教授の菊池賢氏に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、主に「A群溶血性レンサ球菌」に感染することで起こる。ありふれた菌で、普通は咽頭炎など軽症で終わることがほとんどだ。そんな菌が血液内に侵入した場合、なぜ劇症型に進展するのかについては、はっきり解明されていない。

 高齢者など免疫機能が低下している人は発症しやすいとされるが、若年層で発症するケースもある。

 飛沫や接触で感染し、細菌が血液に侵入すると手足の激しい痛みや腫れ、39度以上の発熱や悪寒の症状が現れる。細菌が体内に広がり傷口付近の皮膚や筋肉が壊死すると、手足の切断や最悪のケースでは敗血症などで死に至る。

「劇症型の致死率は約3割といわれ、そのうち約半数は48時間以内に死亡する非常に進行の速い病気です。患者は60代以上の高齢者に多く、約7割の人が足から感染しています。普段から皮膚などに付着している細菌が、打撲などのきっかけで目に見えないほどの小さな傷ができると、そこから体内に侵入するのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択