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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

訪問診療をキャンセルされることもたびたび…誰とも話したがらない63歳男性

公開日: 更新日:

 ある時、訪問看護師さんからこんな連絡がありました。

 ◇  ◇  ◇ 

 本日伺った時の様子を共有いたします。痰はもう全然絡んでなくて、本人も大丈夫って言うので吸引はしていないです。

 ただ傾眠傾向が強くて、酸素飽和度88%。上がっても92%(体中に酸素を送るヘモグロビンが酸素を取り込んでいる割合で、正常値は96~99%)。

 酸素吸引の流用量を上げることも提案したんですが、「苦しくないからいい」と言われてしまいました。フェントステープ(痛み止めの麻薬)を貼ったからだと思うんですが、橈骨動脈(とうこつどうみゃく/肘の内側から手にかけて走行する脈)がものすごく弱く、血圧も触診でぎりぎり測定できるレベルで上が88。下は分かりません。

 意思疎通は取れても、声をかけないとすぐ寝てしまいます。こだわりが強く、本人の意向に沿ってやっていこうとなっているので、無理強いはできないですね。

 ◇  ◇  ◇ 

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